体調を崩した時には、
「病院でお医者さんに診てもらって、早く症状を治してもらいたい。」
多くの人がそう考えると思います。
しかし、病院=全ての体調不良を治せるわけではありません。
どちらかというと、緊急対処の必要性があるものかどうかの判断を行うのであって、もしその緊急性がなければ特別な対処は行わない事も多いです。
例えば、「腰が痛い。」となった時に、痛む本人は「すぐにでも治して欲しい!」と思って病院へきているわけですが、
診察する側が真っ先に考える事は、
- すぐにでも手術を行わないといけない状態か?
- 特別な処置を行わなければならない状態か?
です。
「症状を消そう!」ではなく、
「症状は、危険な状態ではないか?」です。
なので、危険性や緊急性に問題がなければ、特別な治療というよりは、
- 痛み止め(湿布や薬)で様子をみる。
- しばらく安静にする事を指示する。
こういった指示を出すだけとなります。
個別性のある対応ではなく、特別な問題がなかった人達には対症療法で様子見となり、
自然に落ち着くのを待つだけだったりするわけです。
患者さんの中には、痛みが大きな病気の存在を示す兆候ではなかったという安心感を得る事で、診察内容に納得される方もいれば、
痛いから病院に来たのに、「特別な異常はない。」「痛み止めで様子をみましょう。」という説明に納得がいかない方がいます。
痛み症状が出た事により不安を強く感じている人にとっては、「異常はないですよ。」という言葉に安心感を覚えると思いますが、
痛み症状が続いていて、なかなか治らない状態になって、
「原因は何でも良いから、とにかく治して欲しい!」
という想いで病院へ訪れた患者さんにとっては、ちゃんと診てもらえなかったとか、何もしてくれない、というような不信感を感じしてしまう事もあります。
ここで言いたいのは、「医師の診察を受けたところで治らない」という事ではありません。
まずは、今の症状が、重篤なものか、すぐにでも緊急対処が必要なものかをチェックする上で、熟練した診察技術を持つ医師の診察を受けるべきです。
その時に、「特に問題はないですよ。」と言われたら、そこで出た答えとしては、
- 緊急手術を必要とする状態ではない。
- 骨折などの、特別な処置(固定や松葉杖など)が必要な状態ではない。
さらに、
- 他科疾患を含めた大きな病気が潜んでいる可能性が現時点では考えにくい。
という事だと理解する必要があります。
この時点で、もしそれでも「緊急手術を必要とする状態」や「特別な処置を必要とする状態」なのでは?
と診察の間違い(いわゆる誤診)を疑う場合には、他の整形外科で同じように診察してもらう(セカンドオピニオン)事を考慮しても良いのですが、
整形外科医に「問題なし」と言われた場合は、多くの場合、他の整形外科に行っても「問題なし」と言われる可能性が高くなります。
痛いから診察を受けたのに「問題なし」でこれといった治療もしてもらえなかったという人で、それでも痛みが長引いているという人は、
他の痛みを起こす可能性がある部位や組織に目を向けて対応してくれる専門家にみてもらう事を考慮すると、解決への糸口が見つかるかもしれません。